2016-08-23


●2016年8月23日発売の「紙」書籍→(★☆は電子書籍あり:★は紙書籍と同発で安価、☆は紙書籍と同価格ないし紙書籍より発売遅延)

★(電子版同発) KADOKAWA MFコミックス フラッパーシリーズ セーラー服とブレザーちゃん 1<セーラー服とブレザーちゃん> (コミックフラッパー) し ろ

★(電子版同発) 講談社 モーニングKC 銀座からまる百貨店お客様相談室(4) (モーニングコミックス) 鈴木マサカズ、関根眞一

★(電子版同発) 講談社 モーニングKC インベスターZ(14) 三田紀房



【オススメ】 岩本ナオ/金の国水の国


金の国 水の国 (フラワーコミックススペシャル)

■【オススメ】いがみ合う2国で男女が出会う、 素敵だがリアリスティックなお伽話。

戦争した2国が「A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり」「B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい」ということでA、Bそれぞれが条件を履行することになる話。


冒頭の神話チックなプロローグ、神様の仲裁ってのはなんなのか?と 思うが、それはそれとして。A国王は「B国寄りに住む妾の末娘にでもくれてやれ」、B国の族長は「A国との境にある町の学者の倅にでも与えておきなさい」 という態度。 それでもって送ったのは A国はネコ、B国は犬という具合。舐めきった話ではあるが、 ヘタな者が送られてくるよりは。とはいえそれぞれを確かめたい、会ってみたいとする勢力もあり、犬やネコを見せるわけにもいかないと結婚相手は困惑する。


当然話は、この犬やネコを遣わされた者同士の恋物語、ということになる。散歩の最中で2人は出会う。A国は商業国家で裕福。ただし、水資源が不足している。B国は水は豊富も失策続きで貧しい。 結婚相手とされた者は、国の王や国家に対して見方がシビア。 現実が見えているB国の青年は思う。国交を開け。俺に長い水路を作らせろ。仕事をよこせ、と。


A国も国王は戦争派だが王女たちは反戦派で、担ぎあげている大臣もいる。国王にしてもかつてB国と交流しようとして今は腰抜け扱いされている王の名を継いでおりそれを邪魔に感じての行動という側面がある。B国でも件の青年の親は弁が立ち族長をうまく取り回す。有能なもの、抵抗勢力がきちんといる、ということが前提の話にはなっている。


物語として転がすために、ヒロインが聡明な美女というわけではないところが著者作品らしいところ。心根は優しいがそれゆえに色々考え逡巡する。その横で他の人物はすいすいと思考を進めて最善の道を選んでゆく。少女漫画らしい構成である。それは、ヒロインがじっくり考えて結論を出すという行程を描くものでもある。他方、政争を描く作品でもあり、B国の夫が命を狙われる展開を描きアクション、サスペンス面も付加されている。


実に綺麗に仕上がった一品。一巻完結とはいえ300ページ近い大容量、読み応えはばっちり。キャラクターの設定、とくに彼らが何を気にしているのか、の設定が巧い。これは確かに絶品でした。


【データ】
岩本ナオ (いわもとなお)
金の国水の国
【初出情報】flowers(2014年〜2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】FLOWER COMICSα SPECIAL 【発行日】2016(平成28)年7月13日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→金の国 水の国 (フラワーコミックススペシャル)

昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。 毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、 とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい 慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。 A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい――― そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!? 「町でうわさの天狗の子」の岩本ナオが292Pのボリュームで贈る、おとぎ嫁婿ものがたり。


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 岩本ナオ/雨無村役場産業課兼観光係
【オススメ】 岩本ナオ/町でうわさの天狗の子

■当サイトの月間オススメはこちらから

【オススメ】 藤田和日郎/双亡亭壊すべし


双亡亭壊すべし(1) (少年サンデーコミックス)

■【オススメ】国家が総力をかけて、謎の屋敷「双亡亭」を破壊しようとする。

プロットが凄い、というか奇妙。こんな話を新人が描いたら 企画が通らなそうだが新人賞でこんなのを描いてきたら注目されそうだ。しかし勢いがありながら破綻しないのがプロの技である。


話の軸のひとつは、双亡亭という屋敷をめぐる男たちの話。子供の頃、そこで友人の女の子を失った2人は長じて総理大臣と防衛大臣となった。彼らは満を持して、トラウマとなっているその双亡亭の破壊を国家として行うことにする。


別の軸は、その双亡亭の一角に移住してきた父子の話。父は双亡亭にとらわれてしまう。その子とちょっとやりとりして気に入ったのが絵本作家志望の絵描き青年。彼は本作の傍観者、狂言回しとして存在する。


更に別の軸。双亡亭にとらわれた父の娘は呪いを断ち切る巫女であり、この事件に関わることになる。それと45年前に行方不明となった飛行機が突如現れ、そのボロボロな機体には一人の少年が搭乗していた。腕がドリルに変わる!という彼は名札をつけており、それは絵描き青年の祖父の兄の子供であるのだという。こうしてアクション部分を担う2人が、主要人物の親族として話に加わり加速度がつく。


人喰い屋敷ホラーだが規模感が非常に大きい。総理大臣と防衛大臣の話がまだ物語に絡んでは来ておらず、ここを掘り下げていくのか、それとも本筋とは切り離して現場の話に特化するのか。その点をどう料理するのかは見もの。


【データ】
藤田和日郎 (ふじたかずひろ)
双亡亭壊すべし (そうぼうていこわすべし)
【初出情報】週刊少年サンデー(2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】少年サンデーコミックス 【発行日】2016(平成28)年7月17日初版第1刷発行 ※紙書籍で購入:電子版発売済→双亡亭壊すべし(1) (少年サンデーコミックス)
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→双亡亭壊すべし(1) (少年サンデーコミックス)
大正時代より、東京・沼半井町に 傲然とそびえ立つ奇怪な屋敷、 名を「双亡亭」。 立ち入った先で闇と出会ってしまったら、 もはや己は己でなくなるだろう。 遺恨を辿る者達はその門戸へと 導かれ、集い、挑む。 おぞましき屋敷を破壊する為に…!!


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 藤田和日郎/黒博物館ゴーストアンドレディ
【オススメ】 藤田和日郎/黒博物館スプリンガルド
【オススメ】 藤田和日郎/月光条例

■当サイトの月間オススメはこちらから

2016-08-22


●2016年8月22日発売の「紙」書籍→(★☆は電子書籍あり:★は紙書籍と同発で安価、☆は紙書籍と同価格ないし紙書籍より発売遅延)

☆(電子版同発) スクウェア・エニックス ガンガンコミックスONLINE くましろくろ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE) くぼたまこと

フロンティアワークス ダリアコミックス 辺獄のカレンデュラ I (ダリアコミックス) ハ ジ


● 世界の5大ウイスキーを愉しむワールドウイスキーマリアージュセミナー@ダイナースラウンジ銀座ラウンジ

朝11時からそんなイベントをやってしまうところが素敵。1時間のイベントでひとり2,500円。結果的に昼食の食前酒としてちょうどよかった。満足度の高いイベント。バーボン ウイスキー メーカーズマーク レッドトップ 750ml のミニボトルとでかいオリジナルグラスのおみやげ付き。

満足度の高さは、1時間に圧縮された濃密さと、ウイスキーのチョイスとマリアージュのユニークさ、そしてスピーカーであるサントリーのウイスキーアンバサダー、 吉井千晴さん のトークスキルの高さによる。お姉さんはお話達者。話の転がし方が上手。

5大ウイスキーって何?というと、ジャパニーズウイスキー、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキーの総称、だそうな。 カナディアンウイスキー アルバータ プレミアム アイリッシュウイスキー カネマラ は意識して飲んだことがなかった。サントリーとして売りたい銘柄なのかもしれないが、そういうものを混ぜてきたのは酒好きには面白かったのではないか。

面白かったのは、マリアージュ。 アイスとのマリアージュ、というテーマでハーゲンダッツ各種と お酒をあわせるという提案だった。これは、発想になかったわ。 いや、かき氷にブランデー垂らして食べるとかやってたことはあるけれど、普通に酒飲むようになると逆にこういう楽しみ方はあまり思いつかない。ちなみにラウンジで普段出るアイスはベン&ジェリーズだと思うが、サントリーだけに関連会社の作るハーゲンダッツを用意したのか。

組み合わせだが
・知多とマカデミアナッツ
・グレンフィデックと抹茶
・アルバータとソルティバニラ&キャラメル
・カネマラとチョコレートブラウニー
・メーカーズマークとバニラ

ストロベリーはどれとも合わないので、ぜひそういう組み合わせも試して欲しい、というお話も。そうね、合わないってのはより大事な経験だよね。

イベントとしては、もう少し回せる現場だったら満足度パーフェクトだったと思う。足りなかったのは、ハイボールがウェルカムドリンクであるとか、アイスのために全部のウイスキーを残しておいてねとかを事前に告知していないこと。ラウンジイベントはなかなかおもしろいので、経験あげていって、さすがと思わせる回し方まで到達して欲しいと思います。それと、サントリー ウイスキー 知多 はやっぱり美味しいと思う。飲む前は、バーボンじゃねえかそれって思ってたんですが。




ヒナチなお/藤原くんはだいたい正しい


藤原くんはだいたい正しい 1 (Betsucomiフラワーコミックス)

■キャラクター扱いされる女の子は、 本当は女の子扱いされたかった。

ヒツジちゃんは大人気、でもそれは着ぐるみ的な 感じの人気。そんな彼女には片思いしている男子が。 仲はとても良いのだけれど。


そんな彼女が生徒会に組み込まれる。 生徒会長は学校の画策で人気投票の結果選ばれた 人気のクールな男子。彼はヒロインに、 女の子として見て欲しいのだったら そういう努力をしろ、着ぐるみ扱いされたくないなら されないように振る舞え、それをしないなら泣く資格もない、と言う。


彼の正論にしたがって、 ヒロインが少し変わろうとする話。 好きな男子に告白し、そして振られる。 振られたら話は件の生徒会長とどうなるの、 という展開しかなさそうだが、 巻末では生徒会長はさてどんな人なの、という方向になっており、 ではそこを掘り下げていくのかな、と。


この手の話は、ヒロインが女の子扱いされない、 と書かれればああそうなのかと思うほかないが、 それが明確にわかるような絵で描かれていることがあまりなく、 本作も同様。だって充分可愛いじゃないかと思うわけで。 その点で、一般的な話と、自分自身の思いとは違う、 という生徒会長のキャラクターを掘り下げるほうが面白そうではある。


【データ】
ヒナチなお
藤原くんはだいたい正しい
【初出情報】ベツコミ(2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ベツコミフラワーコミックス 【発行日】2016(平成28)年7月31日初版第1刷発行 ※紙書籍で購入:電子版は8/26発売
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 藤原くんはだいたい正しい 1 (Betsucomiフラワーコミックス)


■当サイトの著者他作品レビュー
天之ひるめ、ヒナチなお/天地神鳴!

■当サイトの月間オススメはこちらから

青池保子/ケルン市警オド


ケルン市警オド 1 (プリンセスコミックス)

■中世の捕物帳。

中世ドイツ屈指の自由都市、ケルン。 14世紀半ばから設置された治安役人が 街を守る。その警吏のひとりが主人公であるオドであった。 治安のためにバシバシと検挙していく仕事っぷりは、 仕事を増やすと厄介視され苦情もあるが、 刑吏や上役の警視にはその仕事ぶりは認められ支持されている。


ただ彼が真面目さゆえにモグリの娼館に出入りしていた 良家の子息を摘発しようとした際に、さすがにそれは阻止しようと 別の事件をあてがわれ遠くへ出張するはめに。 それは昔のある判断が禍根を残した結果だった。


基本的には推理もの。堅物な下級役人が、上役にある程度守られつつも、貴族社会の壁に真相追求を阻まれるという話。とはいえ彼にとっては街の治安が第一。欲もない。そんな治安役人を通して描くケルンの話、に見える。


が、この作品は著者の「修道士ファルコ」シリーズの前日譚である。同作のタイトルロールであるファルコと同じ修道院の施療院で働く兄弟オドの、俗世時代の姿を描くのが本作である。本作でオドは薬草を学ぶべき人と場所とを知る。 ということで併せて愉しむのが正しいのだろうが、本作だけでも充分に楽しめる。読み応えのある一作である。


【データ】
青池保子 (あおいけやすこ)
ケルン市警オド
【初出情報】プリンセスGOLD(2016年) 【発行元/発売元】秋田書店 【レーベル】PRINCESS COMICS 【発行日】2016(平成28)年8月25日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ ケルン市警オド 1 (プリンセスコミックス)
活気あふれる中世の大都市・ケルンの治安を守る市警たち。その若きエース・オドは、後輩のフリートも憧れる仕事のデキる男だ。しかしお偉方から厄介払いで命じられた人探しが大事件に発展し…!? 「修道士ファルコ」の人気キャラ「兄弟オド」の治安役人時代の物語。


■当サイトの著者他作品レビュー
青池保子/アルカサル−王城−外伝

■当サイトの月間オススメはこちらから

【オススメ】 スケラッコ/盆の国


盆の国 (torch comics)

■【オススメ】 霊の見える主人公が、同じ日を何度も何度も繰り返す。

お盆になると、おしょらいさんが目に見えるようになる 体質の女の子。祖母もかつては同様の体質であったらしい。 霊は翌日の送り火で向こうの世界に帰ってしまう。 友人と仲違いしたこともあり、明日なんか来なくていい、 ずっとお盆のままならええのに、と思った彼女。 すると次の朝目覚めても、16日にならずに再び8月15日が始まるのだった。


お盆、おしょらいさんを扱った話なので送り火の前にレビューせえよ、 と我ながら思いつつ間に合わずこのタイミングに。五山送り火といえばNHKでの生中継が、随分前からリードタイムとって番組始めて送り火が4つ見えるという高校の屋上から放送していたにもかかわらず大雨でけぶってまるで見えず雨音もうるさくてスタジオでやってたほうがよくない?という状況であったのは現場には災難だったろうが逆にある意味おもしろい映像ではあった。


ところで一日を何度も繰り返すというと名作と言われている小品映画『 恋はデジャ・ブ 』があるが、映画の場合は周囲はまったくおんなじ行動を繰り返すところ、本作の場合は天気も皆の行動も違う。同じことが起こるわけではない。ただし、同じ日を繰り返していることを認識しているのは彼女だけ−と思っているともう一人。繰り返しに入る直前に出会った青年がいた。


同じ日を繰り返すに連れて、世界が少しずつ歪んでいく。霊たちの、戻りたくないという思いが強くなり、ヒロインはアイデンティティを失い輪郭がぼやけていく、という展開は実にアート。ストーリー展開だけでなく美術的に面白い絵づくりがあるのは魅力。話の面では、彼女に声をかけてきた青年が誰か、という謎も解ける。ヒロインの身近に亡くなったばかりの人物を配置したのは、死や死者を遠くのものではなく、身近なものに置くためだろう。お盆というテーマのもと、神かくしや臨死体験を描いた作品ともいえる。


文化庁メディア芸術祭あたりで評価されても良さそうな作品。見事です。


【データ】
スケラッコ
盆の国
【初出情報】トーチweb(2015年〜2016年) 【発行元/発売元】リイド社 【発行日】2016(平成28)年7月17日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作)
■購入:
amazon→盆の国 (torch comics)
お盆を繰り返す町で巻き起こるエンドレスサマーストーリー! お祭り、夕立、花火、恋… いろんな夏が詰まってる。
お盆に帰ってくるご先祖さまの姿が見える女の子・秋。 会えないはずの人たちに、もう一度会える楽しい季節。 このままずっとお盆だったらいいのに… ふと頭に浮かんだ妄想は、なぜか現実になってしまう。 同じ一日を繰り返す町の中で出会った謎の青年・夏夫と、 誰も知らない不思議な冒険がはじまる。



■当サイトの月間オススメはこちらから

| 1/1150PAGES | >>

search this site.

selected entries

categories

profile











ブックオフオンライン

チケットぴあ

ブックサービス  あなたにお届け 大切な一冊

WOWOW



fujisan.co.jpへ
/~\Fujisan.co.jpへ


ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM