【オススメ】 吾平/お惣菜屋とOL


お惣菜屋とOL 1 (リラクトコミックス)

■【オススメ】 ぞんざいなタイトルだが、最近はこの手の題名の もののほうが面白い作品が多いかも。

オフィスで人気の女子社員、でも彼女のその 自覚はあまりなし。同僚の男性社員にランチを誘われても、 中食なので、と断りつつ、「声かけて下さってありがとう ございました!」と返すような非常に良い子。 そんな彼女が昼にいつも急いで出かけるのは、 惣菜屋へ行くため。そこにいけば、店主の田島さんに会えるから。


社員証をきっちり出してアピール、 名前も覚えてもらって一歩前進、という 可愛らしいお話。題名通りの 関係の二人を描くものだが、 もちろんこの二人だけでは 話が進展する可能性がほぼないので、 動いてくれる脇役や設定を用意している。


同郷の幼馴染兼会社の先輩、という便利な役回り をぶちこんでいるのは大正解。彼女が姉御肌で 二人の関係を「おままごとみたい」と言いつつも、 いろいろと誂えてくれる。それでいてお酒は ヒロインのほうが強くてざる、という設定も 絶妙。


ロマンスグレーのおじさまである 惣菜屋さんの魅力はヒロインだけでなく 社内の別の女子社員も気づいている、 的展開で煽りつつ、 それはあくまでヒロインがより接近しようと するための仕掛けにとどめているのも 上手い。そうそう、序盤では物語が 転がることが重要で、転がり始める前には 邪魔をする人物はまだ 要らない。なので、この出し入れがたぶん正解。


実は惣菜屋さん以前に一度二人は会っている、 というエピソードもあるらしいところも ドラマチック。幼馴染が開拓した新しいお店が 脱サラ組で実は惣菜屋さんと上司部下の 関係だったという設定で更に二人の距離を 詰めたところで、ヒロインの昔の彼が登場、 という流れは鉄板。


大人の少女マンガ、というより、周囲の人物は 大人の目線で見守る中でヒロインだけ 少女のまま意識全開、という、ストーリーものより 4コママンガでありそうな設定なのだが、 その分読み手がちとこそばゆい感じはしつつも くふくふと楽しくなる内容に仕上がっている。 ヒロインを慈しむような眼差しで読むマンガ。 ・・・まぁ惣菜屋さんのほうに自己投影して読むってのでも よろしいとは思いますが。


【データ】
吾平(ごへい)
お惣菜屋とOL
【発行元/発売元】フロンティアワークス 【レーベル】Liluct Comics Hugピクシブシリーズ 【発行日】2017(平成29)年1月20日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
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【じれったい系年の差25歳ラブ】平凡なOL・楪の毎日の楽しみは、近所の美味しいお惣菜屋さんでランチを買うこと、それから、店主の田島さんに会うこと。大好きな彼のことをもっと知りたい、その気持ちは日々高まるばかり。彼のふとした反応や笑顔にドキドキしっぱなしで……?ちょっとずつ前進していくじれったい恋に胸キュン&共感100%ラブ!


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【オススメ】 KUJIRA/さくちゃんとのぞみくん


さくちゃんとのぞみくん1 (it COMICS)

■【オススメ】ちょっとジェンダー面の話も絡む 思春期恋愛もの。でも、オープニングのシーンがそこから、 という構成は個人的にはあんまり好きではない。

小中と一緒で高校でも同じ学校に通う男女。 女の子はずっと片思いしていたその男の子に、 とうとう告白する。だが、「そういう目では見てなかったから」 と言って断られてしまう。


続く話は一気に時計を巻き戻しで小学生の頃まで戻る。 2歳上の兄が交通事故で亡くなり、嘆き悲しむ母を見た ヒロインは死んだ兄の代わりに男の子になろうと した。一方でクラスには髪が肩まで 伸びていて、のぞみという名前もあってかオカマ 扱いされている男の子がいた。 彼も彼で母親に本当は女の子が欲しかったと言われているのだった。


この二人が要するに冒頭の男女になる。 長かった髪をいきなり教室で切って変わった男の子、 対して男っぽさを意識した乱暴な言葉使いを 変える勇気が持てなかった女の子。話の視点は、 その女の子視点で、いきなりは自然にできない、 変われないもどかしさを描いている。


女の子はある時、彼のことを好きだと自覚するが、 でも距離は縮まらず、とはいえコンタクトはちょいちょいと。 なのに彼は別の子に告白されて付き合い始めてしまう。 だが彼氏彼女の関係は長くは続かない。こういう 前提があって、それでようやく勇気をだしての告白が 高校生になった冒頭のようなのだが、 仲のよさそうな二人なのに彼の態度はなんで、 と思う。


その答え、欠けている輪は、彼の視点で描かれない限り 浮かび上がって来ないと思うが、果たして今後はそういう 展開となるのか。彼女の告白の前に、彼が告白に そう答える理由が既に明らかになっているのか。 いや、そういう構成でないと、これ、物語として 仕上がらないように思うのだけれどどうだろう。


冒頭のシーンがまず提示されることで、 話の収束点が明確になりそこに向かって進む構成が 可視化されているというのはわかりやすいのだけれども、 こうしたある種の安い映画のような作りは 決まったレールの上を走っている感があり、 どこへ向かうのだろうという楽しみを潰してしまっている。 個人的には嫌いな構成手法なのだが、 そこまでしてこうした構成をとるからには、 それなりの意味は示してほしいところ。


とはいえ思春期を描く話は面白い。ところで 当初の設定にある親の思いに過敏になったが ゆえのジェンダー面での混乱は、 単なる最初の打ち上げロケットにすぎず 切り離されてもう無関係なのだろうか。


【データ】
KUJIRA (くじら)
さくちゃんとのぞみくん
【発行元/発売元】KADOKAWA (2017/3/22) 【レーベル】it COMICS 【発行日】2017(平成29)年4月21日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
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少年と少女は恋をして、男と女になる――。
高校1年生の小野寺朔は、初恋の相手・西岡希に4年ものあいだ想いを寄せていた。 だが、ようやく想いを伝えるものの、「そういう目では見ていなかった」と振られてしまう。
「友情」を隠れみのにしてきた4年を後悔する朔。 そんな彼女が、希との出会いからの4年間、 心も体もまだ幼かった小学生から高校生までを振り返る、思春期ストーリー。
第1巻には小学6年生~中学卒業までを描いた、計3話を収録。


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【オススメ】 安部真弘/あつまれ!ふしぎ研究部


あつまれ!ふしぎ研究部 1 (少年チャンピオン・コミックス)

■【オススメ】 ラッキースケベもあるハーレム部活もの、 というかゆうきゆう氏とソウ氏の心理学もの マンガに近いテイストの一作。

特に何がやりたいということもない少年は 部活をどうしようと思っていたところ、 間違えて立ち寄った旧倉庫を部室にしていた ふしぎ研究部にスカウトされる。 女子3人がオカルトとマジックと催眠術 をそれぞれ研究しているが部活として 認められるにはあと一人部員が必要なのだという。


よくある展開、だが、絵とテンポは秀逸。 部活の設定も、マジック担当はすっとこどっこい な残念な娘で、オカルト担当もかなりイッてしまっている 感じだけれど、3年の綺麗なお姉さんの5円玉 を使った 催眠術はガチであり、入部届を書かされてしまうのだった。


無理やり入部扠せられたようなものである主人公は 何をすればいいのかわからない。なのだが、 彼には催眠術にかかる才能がある。しかも、かなり ノーガード状態で、どうも心に壁がない。 その設定を活かして 催眠術にどっぷりかかるというエピソードがたびたび。


この手のぐだぐだ部活マンガ は割りとあるわけだが、この作品は 普段のキャラクターと違う面を引き出して描く エピソードが多い。なので、同系統の 類似作品より引き出しが多い点が 魅力につながっているのだろう。


ちなみにハーレム状態でラッキースケベもある 割に主人公はかなり生真面目というかお人好しに近い 良い性格。おかげで良い意味でまったり、 バランスの取れた人間関係となっている。


【データ】
安部真弘 (あんべまさひろ)
あつまれ!ふしぎ研究部
【初出情報】週刊少年チャンピオン(2016年〜2017年) 【発行元/発売元】秋田書店 【レーベル】少年チャンピオン・コミックス 【発行日】2017(平成29)年4月15日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→あつまれ!ふしぎ研究部 1 (少年チャンピオン・コミックス)
普通の高校生・大祐が入部したのは、女子3人が「ふしぎ」を研究する部活…!? 催眠術で裸を見たり、マジック用のハトを捕まえたり、呪いのお面を被らされたり、ちょっとうらやましい苦難が続く…。ドタバタほのぼの、ときどきエッチな“ふしぎ”コメディ!


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【オススメ】 押切蓮介/狭い世界のアイデンティティー


狭い世界のアイデンティティー(1) (モーニングコミックス)

■【オススメ】 ・・・なんだこりゃ。くだらない・・・もっとやれ!

出版社へ原稿を持ち込みした青年。しかし彼はビルの上階から 窓を打ち破り地上へ落ちて串刺しに・・・心象風景かと思いきや さにあらず。この殺された兄の敵を取ろうとして、妹は 技術を磨き、年間賞佳作を得た新人として招待された その出版社の年末忘年会に乗り込むのだった。


忘年会では打ち切りになった作家が磔とされ皆が腐った パイを投げつける。中堅作家の枠が減れば新人作家の枠ができる。 それを目指し新人作家同士でも足の引っ張り合い。 というかヒロインは皆で登壇した壇上で堂々と発言し、 「私は・・・消去法で行動したいと思います」として いきなりバトルを始める。


マンガの力だけでなく暴力も交えた マッドマックス化した漫画界を描く話。ここまで戯画化したら 文句をつける人もたぶんいない・・・かな・・・どうだろう。 一応本筋は、兄の敵は誰なのか、という話である。 そこにマンガ残酷物語をびしばしと投入していく。


なんだこの話、という中で、完璧なネームをもってこい、 一ページ目から心動かされる作品こそが売れるものだ、 それ以外はいらない、みたいな編集者の発言が、 一理の真実というか本気でそんなこと考えているゲスがいそうだとか、 そんな要素も綴じ込まれている。


ところで。正直な話、こんなブログをやっているが、 別にマンガが世の中からなくなるならそれでいいと思っている。 というよりも、マンガを描いてそれを出版して 儲けるというビジネスは未来永劫続けられるスキームなのか。 そもそもエンタテインメントビジネス自体が、 前世紀の徒花ではないのか。他人が作ったものを提供してもらい それを楽しむだけに金を払うという、生産性のないビジネス に存在価値はあるのか。


無駄なものを楽しむのは成熟した社会の享楽である。 享楽を貪る社会は没落する、とは思わないが、 社会の余裕があるからこその享楽である。 その余裕が果たしてどこまで続くのだろうか、 余裕のない社会でエンタテインメントはビジネスとして成立 し続けることができるのだろうか。 ・・・などということを思いながら読んだのだが、 まぁ、別にそういう話では、特にない。 たぶん。


【データ】
押切蓮介 (おしきりれんすけ)
狭い世界のアイデンティティー
【発行元/発売元】講談社 (2017/4/21) 【レーベル】モーニングKC 【発行日】2017(平成29)年4月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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amazon→狭い世界のアイデンティティー(1) (モーニングコミックス)

この腐りきった漫画業界の中で、漫画家としてのし上がるには、漫画力だけは足りない…暴の力で漫画業界を邁進せよ。


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【オススメ】 志摩時緒/夜にとろける


夜にとろける 1 (楽園コミックス)

■【オススメ】短編集のような構成で、スライス・オブ・ライフを 切り出した感じだが、するっと本編に入る流れは面白い。

冒頭の「制服の恋人」は あまあま のスピンオフである様子。塾の教え子だった子と先生の恋話で、 女の子から見上げるカットで先生の顔は隠れるという絵作りはユニーク。 「こいはやみ」は学校でできあがったカップルの話かと思いつつ、 その周辺の友人たちの話であり、そこに同性愛要素を絡めるという もの。


そしてその後の「夏の魔物」にはじまる同人誌話は 同じバイト先で働く男女の話。女子高生のほうが先輩で、 男子は一ヶ月遅れで入ってきた大学生で高校のOB。 でもって、すでに付き合っている状態で話は展開されている。


うーん、同人誌的な短編というかショートショートを描く 人だからか、どの物語も関係性のすでに出来上がった二人 から話が始まっている。それでいちゃいちゃするってのも、 まぁ、いいのだけれど、そこからじゃ話が転がらないだろう。 文化祭のようなイベントや、彼女のことをいいなと 思っていた同級生などを用意して引っかかりを持たせるが、 これ、今後はどうするつもりなんだろうと思わないでもない。


思わないでもないのだが、でも、普通の二人の 普通の恋愛を切り出して描くというのは、 漫画ではあまりないことなので、 確かに魅力だったりはする。とはいえ いきなりクライマックスだけ描くエロ漫画みたいなものなので、 皆がこれを始めて普通になってしまったら それはそれで拙いとは思うので、ちょっとどうなの、 と言ってはおきたいが、でも、絵もエピソードも 好みなのは好みなのでここは敢えて逆らわずオススメということで。


【データ】
志摩時緒 (しまときお)
夜にとろける
【初出情報】「楽園」web増刊(2014年〜2016年)、同人誌(2014年〜2015年) 【発行元/発売元】白泉社 (2016/8/31) 【発行日】2017(平成29)年3月1日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→夜にとろける 1 (楽園コミックス)
『あまあま』の志摩時緒最新刊!「楽園」web増刊で発表した3つのシリーズ&同人誌発表作を含めた「一読、床をローリング」なイチャラブ詰め合わせ。小悪魔ヒロイン・愛ちゃんのシリーズも収録♪


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志摩時緒/あまあま
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【オススメ】 渡辺保裕/球場三食


球場三食(1) (アフタヌーンKC)

■【オススメ】野球愛溢れる球場メシもの漫画。

野球大好きな主人公は球場に行く際は三食を球場の中で 食うことに決めていた。・・・って野球はナイトゲームだと 開場も遅いと思うのだが。


12球団のファンクラブに入会しているという主人公は 各球場をめぐり、食べて飲む。本作はただ それだけの話である。


そこに野球の薀蓄を絡めて描くが、その薀蓄よりも、 各球場でのビールの売り方に関するトリビア のほうが面白い。西武ドームでは売り子さんからは 買わない、とかカープが勝つと勝鯉ビール が販売されるとか・・・。そういや昔、所沢で仕事してたとき、 バイトの子が西武球場でビール売りというか売り子の差配 も掛け持ちしてるって話してたな、など思い出した。 球場行って野球見るのは好きですがとはいえ年に数回で、 ほとんど神宮か千葉マリンですね。札幌行ったときは ドームでの観戦をスケジュールに組み込みましたが。


旧市民球場跡を経ての広島球場や藤井寺詣でなど キャリアある野球好きでないとトレースしても様にならない 絵に説得力を持たせているのは主人公そして著者の 野球愛か。


【データ】
渡辺保裕 (わたなべやすひろ)
球場三食
【発行元/発売元】講談社 (2017/2/23) 【レーベル】アフタヌーンKC 【発行日】2017(平成29)年2月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→球場三食(1) (アフタヌーンKC)
球場とは男の棲家。そこには夢とロマンと美味いメシがある。本作の主人公はプロ野球12球団のファンクラブに入り全国の野球場を巡る、さすらいの観戦人。球道に生きる者として一日3食は全て場内で調達する。1巻で紹介するのは神宮球場、西武ドーム、マツダスタジアム、東京ドーム、そして在りし日の藤井寺球場。さらに「特典」も超充実。描き下ろしコラム、登場した球場の完全データ、さらには作者インタビューも緊急収録だ!


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【オススメ】 加納梨衣/スローモーションをもう一度


スローモーションをもう一度(1) (ビッグコミックス)

■【オススメ】80年代カルチャーが好きという 平成の男子高校生のお話。無理めな設定だが 茶化した作りではないので好感が持てる。

高校ではスポーツもできて、いけてるグループ の中に入っている主人公。でもそれは高校生に なって初めて得たポジション。スクールカーストの基本、 それは、学校ではダサイやつになってはいけない、ということ。 なので彼は本当の自分のことを、学校の連中には話せない。


どんな秘密か?というと、たいしたことはない。 古い昔の曲、昔のものが好きだということ。 昔といってもそれは1980年代、彼が聴いているのは中森明菜「スローモーション」。 母はスナックをやっており母子家庭で貧乏で転校ばかりという環境で、 実家にあった古いおもちゃや本しか遊ぶものがなかったからか、 すっかり趣味がレトロなものに。いまではお金をためてはちょこちょこ 古い雑誌やCDを買っているというレトロ趣味。当然、気の合う同世代などいない、 はずたった。


だが地味なクラスメイトの女子にたまたま自分が明菜ちゃんを聴いていたところ を目撃される。彼女の家に行くと、部屋は彼以上に80年代趣味に溢れているのだった。 という、まぁ、特殊かつ都合のよい設定の物語である。 10代の男女を描く、というよりも寧ろ、高校生をダシにして 40代のおっさん相手にノスタルジー話を展開しているのだろう。 エピソードタイトルは「少女A」「探偵物語」「君は天然色」「ドリーム ドリーム ドリーム」 「スケバン刑事」「急いで!初恋」「さびしんぼう」・・・ええと、ひとつ、 曲名じゃないのが混ざっているよね。アイドルという軸であれば一曲違うものもあるし。 その辺がなぁ。中途半端というか。エピソードの内容にあわせたタイトルなのはわかるけれども、 だったらもっと練ろうぜ、という気がしなくもない。


元ネタ全部わかって読んでいるのであれだけど、知らない人にとってはたぶん ちんぷんかんぷんなのではなかろうか。ちなみに、それでいいのだと思う。 しかしこの子たちは、どこへ行こうとしているのか。いや、別に、好きなものに邁進している だけなんだろうけれども、これ、彼女がアイドルになろうとする的な展開があったりするのかどうなのか。そんな展開でもないと話は転がりようがないが、いや、割り切って話を転がさない、 ってのもないではないが。


話のあう友達や異性がいる、というのは幸せな人生なので、 その幸せさかげんを描いてくれればそれでいい。 そのうえで、80年代をより突っ込んでカルト的作品になるならなおよし。 おっさんホイホイになるくらいにもっともっとネタを突っ込んでいいのではなかろうか。 どうせ編集部には詳しい人が何人もいるでしょう、細部にとことん拘ってください。 ちなみに2巻発売済、今月には紙書籍の3巻めが出ます。


【データ】
加納梨衣 (かのうりえ)
スローモーションをもう一度
【初出情報】週刊ビッグコミックスピリッツ(2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ビッグ コミックス 【発行日】2016(平成28)年11月2日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→スローモーションをもう一度(1) (ビッグコミックス)
クラスではイケてるグループに属している、一見 リア充な高校一年生・大滝くん。 だけど実は彼には、誰にも言えない「秘密」があった… それは、アイドルや歌、おもちゃなどの「80年代文化」が大好きということ!
自分が大好きなものを誰とも共有できず、一人だけで楽しむ毎日を送っている大滝くん。 そんなある日、クラスで隣の席の地味な女の子・薬師丸ちゃんが自分と同じ「秘密」を持っていることを知って!?
同じ趣味を持った同年代の人間とはじめて会った二人が、一緒に遊ぶようになり、そして、恋に落ちていくという、みずみずしくて胸がキュンとするラブストーリーです。


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