【オススメ】 遊知やよみ/福家堂本舗 弐


福家堂本舗 弐 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

■【オススメ】 2000年に完結せざるを得なかった「 福家堂本舗 」の巻末ですでに描かれていた話 の続きを17年経って続編として綴り始めるとは気が長いというか執念というか お導きというか。実写ドラマ化さまさまなのか、いや続編あっての ドラマ化だったのだろうなぁ。ちなみにドラマは結局いまだに見ておらず。 Amazonプライム会員だし早見あかり主演だし見られるし見たいと 思いつつもなかなか。→【Amazon.co.jp限定】福家堂本舗-KYOTO LOVE STORY-(DVD-BOX) 初回限定版・・・ そして著者の練度はますます上がり、 本作は前作以上の読み応えに。

京都の老舗和菓子屋。前作でガサツだが味覚と和菓子のことに ついては抜群だった次女が店を継いでいる。そして 前作巻末にもあったように子供が・・・あれ?なんか5人もいるぞ・・・。 親である次女は双子の男子に店を継がせたがっていたのだが 野球の道を進みたいとノンプロに。そこでそもそも継ぎたいと思っていた 双子の女子が主人公として続編の物語を背負う。


ヒロインは非常にがさつで自由で人情に厚くて明るくて、 「お父ちゃんが言うことにはお母ちゃんの若い時にそっくりだとか」 ということで、なんだ前作と同じじゃないか、時代を替えての 焼き直しかと思うところである。


が、勿論そんなことはない。ではどういう作りか、というと 家の養子的な人物となっている男性がおり、有名大学を卒業しつつ 店に入っている。和菓子つくりにも真摯で腕もセンスもある。 ただし彼が養子になるかどうかにあたってヒロインが抵抗したという 過去もあり、二人の仲はややぎくしゃくしているような。 しかし彼にとっては特に飾り立てもせず素直に接しられる相手が ヒロインである、ということも解ってくる。


とはいえ、こんな話か、なんというか「 3月のライオン 」ではないが、あれはあれでいいとして、いや、遊知やよみ作品 に求めているテイストは寧ろ突き抜ける陽気さが裏打ちする女性の強さ なんだけど、たとえば「 これは恋です 」なんかが大好物なのだが、 と勝手なことを思いながら読んでいたのだが。 終盤にかけて、これは!という展開になった。


ヒロインの才能は、人間関係を見抜くこと。そして、 何をどうつつけばどう動くかを見極めて働きかけもする、 それも京都という閉鎖的な土地柄にあった外交能力。 そしてその能力に両親も気づき、ヒロインが店を継ぐ未来に ワクワクしてくるというところで巻またぎという、幸せな 展開である。


登場人物は多く前シリーズを読んでいたほうがこの人はアレだな、 とわかる愉しみが増えるものの、基本的に新しい世代が話を 回していくので、ここから読み始めて面白ければ前作に遡るでも問題なし。 というか前作が頭に入っていなかったので まずはそちらを再読してからと最終巻を今一度 読み直してみたが寧ろ余計に混乱したので、 よほど読み込んでいる人だけが楽しめる要素が別にあるが ここから読んでも十分という、なんだ、京都という町を体現したような 作品なんじゃないか、これは。 問題は一点だけ。続刊出るの?これ。なんか話まとまっちゃってるし、 連載続いていないという話もあるようだけど・・・。


【データ】
遊知やよみ (ゆちやよみ)
福家堂本舗 弐
【発行元/発売元】集英社 (2017/8/25) 【レーベル】マーガレットコミックス 【発行日】2017(平成29)年発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→福家堂本舗 弐 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

創業四八〇年の老舗和菓子屋「福家堂本舗」。当代とって十八代の歴史を持つこの店は、伝統の根付く京都で厚い信頼を集めている。そんな福家堂の跡継ぎを目指す店の長女・ふぶき。しかし母には反対され、優秀な兄・彦一郎とは不仲。ふぶきが跡継ぎとして認められる日は来るのか──?


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【オススメ】 柳田史太/トモちゃんは女の子!


トモちゃんは女の子!(1) (星海社コミックス)

■【オススメ】 すれ違い系だがイチャイチャ、という 考えてみれば異色な内容を成立させた設定が見事。

そういや5巻まで出ちゃっているのか。レビューしていなかった ので今更ながらご紹介。


冒頭から告白シーンで始まる4コマもの。 「おまえのことが好きだ!」と告白したヒロインに対して、 幼馴染の男子は「今さら何言ってんだよ」「俺も愛してんぜ!親友!!」 と返すという、ある意味地獄のような展開。 ヒロインは全く女扱いされていないのだった。


そんな幼馴染もの。男っぽくて空手もやっている武闘派女子、 だがそのボーイッシュさは女子にも人気で、 一方ではグラマラスなスタイルでもあるので男子受けもあるという、 この手の女の子の設定としては破格の待遇である。


そして、女扱いしていないがゆえに親友の幼馴染は、 同性の友人にしてくるかのようにボディタッチが多い。 ・・・いや、これは漫画ならではじゃないですかね。 男同士でそんな接触多くないと思うんですけど。 まぁBL的目線ではよくある話なんでしょうが。


女の子のほうは最初告白はしたもののスルーされたので その後はそんなに積極的にもなれず、一方で さすがに周りがやいのやいのと言うので、 男子のほうは意識をしだす。まぁハナから一緒になって 当然の仲だと思うのだが、なんか巻末に爆弾が投下される。 爆弾っていうか不発弾を見つけてしまった感じか。 え?と思わせる引きで、これはお見事。→ トモちゃんは女の子!(5) (星海社COMICS)


【データ】
柳田史太 (やなぎだふみた)
トモちゃんは女の子!
【発行元/発売元】星海社/講談社 (2015/10/8) 【レーベル】星海社COMICS 【発行日】2015(平成27)年9月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ トモちゃんは女の子!(1) (星海社コミックス)
好きな男子(ひと)に“女の子”として見られたい!!ボーイッシュな女子高生・相沢智(トモ)は、幼なじみの久保田淳一郎(ジュン)に恋してる。だけど二人の関係は“大親友”で、トモはジュンに全く“女扱い”されてない……!“ボーイッシュ女子”学園ラブコメ4コマ、描き下ろしを加えて待望の単行本化!


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【オススメ】 伏瀬、川上泰樹、みっつばー/転生したらスライムだった件


転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)

■【オススメ】 なるほどこれは確かに面白い。転生したら異世界でスライムに なっていたという話を、芸のあるコミカライズで魅せる。

37歳独身童貞の主人公は事件に巻き込まれて瀕死状態に。 そこで次生まれ変わったら喰いまくってやる、いや 30歳童貞なら40歳目前の俺は賢者か?もっと粘れば大賢者に なれたのでは?などと思っていると、「捕食者」「大賢者」 のスキルを得ました、進化しましたというナレーションが 頭に響いた・・・そして、彼は目覚める。しかし、 ベッドの上で生き返ったわけではなかった。


人間としての記憶と頭脳を持ちながら、スライムとして 転生した主人公の話。この冒頭部分は絵で見せなくてよい 小説ならではの構成となっているが、それを丁寧に 漫画にしたのはライトスタッフによる仕事と言えるだろう。 SF的な複雑な設定をさらっと読ませる。 まず最初に勇者に封印された竜に出会い、しかし彼と 仲良くなり友達になるという設定まではまぁなくはないだろうが、 その彼を解放するためにとる手段は、本作の主人公の キャラクターをよく説明した見事な手法で、この発想が素晴らしい。


その後、捕食しスキルを身に着けながら洞窟を出て旅に出る。 ゴブリンの村では、守り神だった龍が突如消えてしまったために 近隣の魔物たちが縄張りを拡張に襲いに来るという。 その龍は件の友達となったものであり、スライムはこの村を助けることにする。


その後の流れは、スピーディ。短すぎない適切な長さで次々と エピソードが流れていき、読み手は話に引き込まれていく。 エピソードを引き伸ばす 類のマンガが多いなか、この作品はテンポが良いく、すごく好み。 同名作品をスピンオフさせたコミカライズのほうは 同人誌的で作品世界を知らないと面白がるポイントがさっぱり わからないような仕上がりだったが、本作は原作のことなど 全く知らなくても楽しめるものになっている。


コミックは最新が5巻まで出ています。→ 転生したらスライムだった件(5) (シリウスコミックス)


【データ】
原作=伏瀬(ふせ)、 漫画=川上泰樹 (かわかみたいき)、 キャラクター原案= みっつばー
転生したらスライムだった件
【発行元/発売元】講談社 (2015/10/30) 【レーベル】シリウスKC 【発行日】2015(平成27)年11月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ 転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)
WEBで1億4000万PVの異世界転生モノの名作を、原作者完全監修でコミカライズ! 巻末には原作者書き下ろしの短編小説を収録した、ファン必携の単行本いよいよ発売!


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【オススメ】 西倉新久/HOTER R.I.P.


HOTEL R.I.P. 1 (A.L.C. DX)

■【オススメ】 死後の世界、成仏できない人のためのホテルを舞台にした話。 設定にアイディアあり。

不慮の死を遂げた人を優先して受け入れる、死後の世界にある ホテル「HOTEL R.I.P.」、ここでは 古参客の自縛霊にならないよう、死を受け入れる手助けをしている。 新たにやってきたのは、16歳の若き競泳選手。 交通事故に巻き込まれ死亡してしまったのだった。


岡崎二郎 的な、と思ったがSFや科学的な色彩はないので ビッグコミックオリジナル的なというべきか。 ホテルの支配人のキャラクターはやや露悪的で 「 あいの結婚相談所 」や「 弁護士のくず 」に雰囲気は近い。


死後の魂が成仏するまでの話というのは 割りとよくある物語。 ただし本作では一つ、アイディアがあった。


それにはホテルという設定が効いている。 死者にツインルームを割り振り、他の人物と 相部屋になってもらうというもの。 これで両者が親しくなり、それぞれの心残りを解消していく、 という構成は人情もの。だが内容にはいやらしさがない。 もう少し絵がこなれていたら相当賞賛される作品となったのではないか。


読み切り連作なのでエピソード作りは かなり大変だと思うが続刊が出ることを期待しています。


【データ】
西倉新久 (にしくらしんく)
HOTER R.I.P. (ホテル レストインピース)
【初出情報】エレガンスイブ(2016年)、Championタップ!(2016年、2017年) 【発行元/発売元】秋田書店 (2017/8/16) 【レーベル】A.L.C. DX 【発行日】2017(平成29)年8月25日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ HOTEL R.I.P. 1 (A.L.C. DX)
死者限定ホテル「R.I.P.(レストインピース)」の宿泊ルールは「すべて相部屋」。互いの心残りを消せればチェックアウト。ホテルの一室で出会ったふたりの死者は…。


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【オススメ】 聖千秋/スパデート


スパデート 1 (オフィスユーコミックス)

■【オススメ】女性の顔を認識できなくなった主人公が、 唯一人間の顔として見えたのは再会した高校時代の同級生だった。

デザイン会社を運営している男性が主人公。 ヘッドスパが気に入っていたサロンにケチが付いてしまったところで、 近所の天然温泉のあるスパリゾートを紹介される。 そこで彼は、同級生だった女性に再会する。


ちなみに彼は、会社にいる女性の顔が、キャラクターに見えている。 というか女性は誰もかれも同じ顔に見えて、名前すら覚えられない。 が、何年かぶりで、まともに女性の顔が見えた。 それが、同級生だった子だった。


著者の新作が佳作で嬉しい。例によって、スーパーマンな人物の話。 いや、それだと語弊があるか。別に特殊な能力を発揮するわけではない。 が、芯がしっかりしていてブレないものを持っている。そんな人物の話。 この作品のヒロインもそうで、「優しくて控えめだけどいつも凛としていた」。


何度か立ち寄るその施設で、必ず顔を見せてくれる彼女。 そして彼は会員になる。それは彼女に会えることも当然ながら影響していた。 この施設、というか彼女のおかげで、感情が落ち着く主人公。 ではこのあとどう展開していくのだろう?というところで、 彼と彼女の同級生たちが次々登場しはじめ、そして、 彼女がまもなく結婚式であるということが明らかになる。ただし、彼女の口からは、 何も語られない。


主人公は何事も、ああそうか、と割り切る感じで、変に物分りがよいので、 この先の物語がどう転がるのかは微妙であり、続刊では話が停滞しそうな 気もするが、一巻としての美しさ綺麗さは絶妙。 投げやりにみえる題名に不安もあったが、読んでみると話はしっかりしており安心した。


【データ】
聖千秋 (ひじりちあき)
スパデート
【発行元/発売元】集英社 (2017/7/25) 【レーベル】マーガレットコミックス 【発行日】2017(平成29)年発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ スパデート 1 (オフィスユーコミックス)
一之瀬朋哉はウンザリしていた。経営するデザイン事務所は多忙を極め、安らぎとは無縁の日々。あげく女性不信が積み重なり、日常生活に“大問題"が! そんなある日、偶然訪れたスパで奇跡の出会いが舞い降りた──!?


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【オススメ】 西餅/僕はまだ野球を知らない


僕はまだ野球を知らない(1) (モーニングコミックス)

■【オススメ】 サイバーメトリックスを漫画に取り入れた一作。 ここまで極端に描けるのは、漫画ならでは。 この割り切りゆえに面白い。

主人公は物理教師。野球が大好きでデータをマニアックに集め サイバーメトリクスを推進する野球部部長。でも勤めている工業高校は 弱小であるし、監督には邪魔にされる。他のチームの監督も尾行して 性格まで分析するトラッキングをストーカー扱いされて クビ宣言。野球に一度も関われずにクビか、と愕然としていたところ、 急転直下、監督が糖尿で入院することになり、監督の座が彼に舞い込んでくるのだった。


野球が大好きだが自分でプレイする才能はなかった主人公が 監督としてようやく野球に関わることになるというお話。 父は名監督で、しかし部員たちは全く楽しそうに野球をしていなかった、 という過去もあるようで、背景の設定もきちんと用意。まぁこういう 設定が必要というのがフィクションの面倒なところではあり制約でもあるのだが。


選手としての実績がない人物が指導者となることへの抵抗感は いまだに根強いが、そのなかで彼はマニアックさと愛着心とに加えて 部活にカネを比較的投じられる工業高校という状況と、 趣味と実益が一致しているがゆえに投じられる私財を背景に ぐいぐいと自分の思うところを推進していく。


ただ本作がすいすい転がっていくのは、彼の指導力にある。 アドバイスがわかりやすいとして、部員にすぐ受け入れられる。 部員の向上心をくすぐったうえで、結果がすぐに出る。 やはり結果がすぐに見えないと信用されない、逆にいえば結果が出れば 信用を得られる。それがスポーツなど技術系にアドバイスする際の 良いところなのだろう。中間指標、KPIをアドバイスをする側も受ける側も きちんと抑えることが大事、という話が主題で、ああ、だからこの漫画は 今までの野球漫画とは違った面白さがあるのだな、と納得する。


特に弱小チームであるというのは伸びしろがあるので、 描いていく上では面白い。 そこに、リトルリーグなどでは実績あるがタッパの問題で成長力を 疑問視されて放り出された才能ある人物がおり、 監督の期待というか指導に応えられる、というのが上手い。 「 おおきく振りかぶって 」を 「 ベイビーステップ 」に更に寄せた感じの話だが、よりデータをごりごりツッコミつつ、 そのデータマンが主人公になって、かつ コメディ要素を忘れない、ということで、 「 逃げるは恥だが役に立つ 」の野球版みたいな感じで捉えるのが良いのかもしれない。


プレイヤーに注目する時代は終わった、とは言わないが、 過去にプレイヤー経験のない監督、コーチ、データマン を主役とするというのは、実は現実を踏まえると正しい視点なのではないかと思う。 それで漫画になる方法を模索するのが、今後のスポーツ漫画のあるべき広がり の一つの正解ではあるだろう。選手を描いていると最終的にはスーパースターを 描くしかなくなってくるジレンマから逃れられない、という問題があるので、 新たな正解を模索するのは業界の生き残り策としても正しいはずである。


【データ】
西餅 (にしもち)
僕はまだ野球を知らない
【発行元/発売元】講談社 (2017/8/23) 【レーベル】モーニングKC 【発行日】2017(平成29)年8月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ 僕はまだ野球を知らない(1) (モーニングコミックス)

高校野球の監督をするのが夢だった物理教師・宇佐智己(うさともき)は、念願叶って浅草橋工業高校野球部監督に就任。チームを勝利に導くために、野球の統計学を提案する。根性でも気合でもない、データに基づいた「効率の良い努力」とは何か? 新生野球部、始動!!


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【オススメ】 西餅/犬神もっこす

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【オススメ】 朱戸アオ/リウーを待ちながら


リウーを待ちながら(1) (イブニングコミックス)

■【オススメ】未来を舞台にした作品なのかと誤解したが、これは架空の地名 を使った話か。そして内容は、アウトブレイク。傑作「 Final Phase 」の著者に再び疫病ものを描かせるだけあり、切り口がひと味違っている。 感染源をすぐには断てない悪夢とどう戦うか。

戦闘訓練で主人公は「・・・もう7時か・・・」と目を覚ます。 富士山の麓にある人口9万人足らずの横走市で、まもなく 自衛隊の総合火力演習が行われる。主人公はその市にある病院 で働く医師である。


近未来なのか?と思うが、どうも別にそういう設定ではない、らしい。 普通の日常のなか、バスでやってきた人物が病院の前で倒れていた。 どうやら自衛隊員らしい。血を吐き、心停止する。 主人公は一応助けるが、その後同様の症状を示す者が運ばれ、その人物は 助からなかった。そして翌日。件の転院がベッドからいなくなった。夜遅くに 自衛隊病院が現れ、隊員を転院させていったという。


熱意と勢いのある女性医師が主人公の話。院内の看護師も感染したことで、 彼女は原因追究を推し進める。自衛隊病院の車まで止めて押し問答した 結果、内実を知る自衛隊病院の医師が彼女に真相を告げる。そして疫研に 送ったサンプルからも、それを裏付ける結果が現れる。


題名にあるリウーって何?というと、カミュの作品に出てくる医師、なのだろう。 つまり、今回の作品の中心となるものは、アレである。 何かはわかっているので、対処策は取った。が、そこで終わるのであれば、 著者が先に描いた「 Final Phase 」と同じである。今回は、耐性ができてしまった菌がいる、という最悪の 事態が待っている。それは、今回舞台となった病院、というか地域に問題があった。


ヨーロッパで起きた地獄が現代日本で再現されてしまうかもしれない、 というパンデミックものである。勿論、医術も情報も進化しており 宗教に毒されていない分、そんなことにはならないのかもしれない。 しかし現時点では医療関係者であり知識があり物分りも良い人物しか 出てきていない。そして病院は患者の死亡を止められない。 さて、どうなるのか。


このタイトル、この表紙では買いつづらいとは思うが、 これは必読の作品である。が、まずは著者の 「 Final Phase 」を読むことをオススメしたい。 それを読んだら、本作への期待度は更に上がることだろう。


【データ】
朱戸アオ (あかとあお)
リウーを待ちながら
【発行元/発売元】講談社 【レーベル】講談社 (2017/6/23) 【発行日】2017(平成29)年6月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ リウーを待ちながら(1) (イブニングコミックス)

富士山麓の美しい街・S県横走市──。駐屯している自衛隊員が吐血し昏倒。同じ症状の患者が相次いで死亡した。病院には患者が詰めかけ、抗生剤は不足、病因はわからないまま事態は悪化の一途をたどる。それが、内科医・玉木涼穂が彷徨うことになる「煉獄」の入り口だった。生活感溢れる緻密な描写が絶望を増幅する。医療サスペンスの新星が描くアウトブレイク前夜!!


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