六花チヨ/理想の家族のつくり方


理想の家族のつくり方 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

■ 妊活する妹と離婚を考える姉。 なかなかにディープなテーマに取り組むなぁ。

何をやっても上手くできる姉とできない妹の双子。 その妹が主人公。産婦人科で彼女は、 卵子の数が少ない、と言われ、双子の姉は子供生んでる のに、と聞くと個人差があるし、 大病や過激なダイエットなどで著しく減ることもあると。 そう言われて心あたりに気づく彼女。そんなときに、 双子の姉が子供を連れて来る。


何もこんな時に、と思う妹。卵子の数は想定よりも少なすぎ、 専門家を紹介されるもどこかで諦めることも必要だと諭される次第。 そのことを楽天的な夫には告げきれず、しかし それを姉に見透かされ、正直に言わないと夫婦の間にミゾができる、 妻失格だよと指摘される。が、そんな姉は、実は旦那が浮気をしており、離婚を考えているのだった。


「正しい生き方の人がいるとつらい/自分が よりダメに思えるから」 という妹の生き方は正直しんどい。人と比べてどうこうするような生き方は、 自分自身の人生ではないのだが。割とのんびりで天真爛漫に見える妹がそういうことを考えているというのが全般的には信じがたいが、双子の姉相手だからそう思うという設定はよく分かる。


ところで妹の妊活に関しては、夫は理解というか心がフルオープンな系のよくできた人物なので、彼女がよく話し合えばいいだけ。妊活の大変さ、ということは描かれつつも、どこで折り合いをつけるか、が焦点になる。一方で姉のほうが外面は良いが浮気しDVも振るう夫ということで、でもでもだってな状況から離婚を決意しつつ、実の親に義理の親などと向き合うたびにそれが障害となる、という展開。


妊活と離婚とが同時並行で語られる、という異色作。 結構お腹いっぱいな感もあるが、細かい点をしっかり 問題を提示しつつしっかりと描いてくれるのであれば、 佳作となるだろう。


【データ】
六花チヨ (ろくはなちよ)
理想の家族のつくり方
【発行元/発売元】集英社 (2018/3/23) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 理想の家族のつくり方 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
双子の姉妹・ウメとサクラ。優秀な姉・サクラを前にするとウメのコンプレックスはうずくばかり。そんななか、妊活中のウメはある宣告を受け…!?


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