田所コウ/彼女のやりかた


彼女のやりかた (トーチコミックス)

■三周くらい遅れていまどきユニークな絵柄に、 ほのぼの話かと思いきやちょいエロ乗せてくるという、 面白いけどどの辺の客層狙ってるのかな、これ。

女の人の働き方を描くオムニバス。 絵柄はいまどき珍しい昭和な感じのタッチで、 高野文子的というと褒め過ぎで、 長谷川町子的というとちょっと酷くいいすぎかもしれないが、 いっときならマガジンハウスあたりで ソフトカバーで出て、 何周か回ってこれもおしゃれ、みたいな 売りもありそうな類いの作品である。


で、その各エピソードのヒロインの働きっぷりだが、 自分を元気づけたりストレス解消したりするための 方策が、エロ混じりというオチ。 この絵でそういう展開ってのは面白いが、 しかし、誰得なんだろう?と冷静に思ってもしまう。 もっと高尚な感じだったりあるいは詩的だったりと、 より文芸チックに仕上げてくれると衝撃も強くて 良かったかもしれないが。うーん、 まぁ、エロネタ乗せなかったら、普通すぎる話 ではあるんだよなぁ・・・。 しかし最終話などいい話なのに色々台無し感というか、 無理やりすぎるだろう感もあり。


ところで。 著者は以前、パクリだなんだと難癖つけられ 騒動になったらしい。ということを今知った。 よほど斬新な内容ならともかく、 ありがちなコンセプトはかぶることもあるだろう。 上位互換になっていれば後から出た作品が 前の作品より評価されることも多々。


よく分からないのは、パクられようがなんだろうが、 パクられた側は先に世に出ているわけで、 これが雑誌を打ち切りになってその後に同じ企画が スタートして自分にカネが入ってこない、ってなら まぁ訴えるのも理解できるんだけど。 あるいは自分の作品が世に出ず、企画だけ パクられたって盗作なら当然ひどいよねって 同情もするが。 パクリは別にパクられた作品がそれで 売れなくなるってことはないわけで、 パクられた側が騒ぐ理由は 炎上マーケティング以外にいまいちよく分からなかったりする。


コンセプトのパクリなんていったら、 このブログも漫画レビュー本のパクリなんだし、 一方で後発企画もあってパクられているわけで、 とはいえそれは別に大したコンセプトじゃないからだしねぇ。 あ、だからといって丸パクリというかコピペ流用みたいなのは 無断転載による著作権侵害なので勿論ダメなわけで。 この辺区別つかない人もいそうなのが 世の中の面倒なところ。そういう人はこんなブログまで 読みにこなくていいのだけれど、実際、読まないで 伝聞やらキャッチだけ見てまとめサイト斜め読みして 批判非難してきがち。木をみて森をみずな感じで ヒートアップしてる人、多いしね・・・。


ちなみにパクリなんてしたことない、という潔白な作家 なんてのは世の中に存在しないので、 パクリだ!と騒ぐ作家は自分のこと 棚に上げ過ぎではっきりいって信頼できないし、 そういうことを言いはじめた作家はちょっと大丈夫かなと いろいろ心配。本当はプロは SNSやらブログやらを自分で発信しちゃいけなくて、 マネージャー相当の人が発言を管理したほうがいいと 思う。 まぁアーティスティックな世界は 変人奇人が佃煮にするほどいるわけで。 読者としては作品だけ拝見するのが 幸せ関わりかたなのだろうなぁと思っている。


【データ】
田所コウ (たどころこう)
彼女のやりかた
【初出情報】トーチweb(2015年〜2018年) 【発行元/発売元】リイド社 (2018/4/6) 【発行日】2018(平成30)年4月12日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準)
■購入:
amazon→ 彼女のやりかた (トーチコミックス)
日々の中にふと現れる小さな悩み、どのように解消しますか? ひょっとしたらあなたの身近にいるあの人は、意外な解決法を持っているかも… 少しの勇気と冒険で生活に魔法をかける、彼女たちの“やりかた”をご紹介します。


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