【オススメ】 小山ゆう/颯汰の国


颯汰の国 (1) (ビッグコミックス)

■【オススメ】徳川の治世、改易の憂き目にあった 藩の姫を守るため行動をともにする男の話。

江戸時代、父母はなく和尚のもとで育てられている 子供。彼に若くして一流の剣と学問を身に付けさせなければ ならない、と急ぐ和尚だったが、喀血してしまう。 死が近いことを悟り、知り合いの夫婦のもとに彼を託す。 跡継ぎとして平穏な人生を送ることを望む、としつつ、 数奇な星の下に生まれた男ゆえどのような運命が待ち受けるか… しかし生き抜くんだぞ、と和尚は言い残す。


ここまで40ページ足らずでテンポよく過不足なく 基本設定を描写する、さすがの導入。その後青年となり、 姫の話を経た上でその姫を描く前に、1シークエンス 過去に戻って主人公の青年が和尚のもとに来ることに なった場面を描く。なぜそこに入れるのか、は、 もちろん理由があるわけで。この辺のバランスは絶妙。


道場での対抗試合に姫が興味をもち、そこで主人公と接触する。 活発で闊達な主人公は小山ゆう作品の持ち味である陽の部分。 しかし人物が揃ったところで、藩にお取り潰し、改易の沙汰が下る。 藩主は切腹を迫られるが、姫や殿は逃したいと考える。 その逃避行に主人公は同行することにする。


敵から逃れ、仲間を集め、策を練り道を探す話。 その舞台に江戸時代初期を選んだのは面白い。 まだ前段にすぎない一巻だが、今後の展開につながる要素を すべて示たうえで一巻だけでも読み応えのあるものに なっており、さすがの上手さである。 続刊同時発売→颯汰の国 (2) (ビッグコミックス)


【データ】
小山ゆう
颯汰の国
【発行元/発売元】 小学館 (2019/9/30) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 颯汰の国 (1) (ビッグコミックス)
江戸幕府に抗った男…大人気歴史物語!!
徳川家康から秀忠、家光へと移行していく時代、 改易の憂き目に遭いながら、屈することなく敢然と幕府に立ち向かった男がいた!! 名は佐々木颯汰。数奇な運命を背負った颯汰は、 いかに生き、戦うのか…巨匠・小山ゆう熱筆!! 圧倒的スケールで描き出す、 歴史スペクタクルロマン、ついに開幕――!!


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